山内散策
境内散策の手引き
案内図
- ・入山される方にはこの地図を受付でお渡します
- ・ナラ枯れ被害樹木による落枝、倒木の危険のため当面のあいだ散策路を一部制限しています
みどころ
伽 藍
総門
拝観者を迎える茅葺屋根の堂々たる総門。山号扁額「金鳳山(きんぽうざん)」、門柱に「臨済宗平林寺専門道場」を掲げます。
県指定有形文化財(建造物)。
山門
築350年の風格を湛える平林寺のシンボルです。江戸時代前期、平林寺が岩槻から移転された際に、現在の地に移築されました。
県指定有形文化財(建造物)。
仏殿
端正かつ威厳ある佇まいです。本尊には釈迦如来坐像、脇侍には迦葉尊者と阿難尊者を祀ります。扁額は江戸中期の書家三井親和(みついしんな)の揮毫です。
県指定有形文化財(建造物)。
中門(なかもん)
総門をそのまま小さくしたような造り。山門、仏殿、中門の4棟は総門から一直線上に配されています。
県指定有形文化財(建造物)。
非公開、通年閉門。
本堂
本尊の釈迦如来坐像をはじめ、達磨大師坐像等が祀られています。現本堂は、江戸末期の火災で庫裡と共に焼失した旧堂に近い形で、明治期に再建されたものです。
非公開。
戴渓堂(たいけいどう)
日本に書法・篆刻を伝えた独立性易(どくりゅうしょうえき)禅師を祀ります。独立禅師は、隠元隆琦(いんげんりゅうき)禅師と共に第4代将軍徳川家綱謁見のため、長崎から江戸に随行。その際、当時の老中松平信綱は独立禅師を厚遇しました。
僧堂門
門柱に「平林僧堂」を掲げます。
通年閉門。
墓 所
大河内松平家廟所
大河内松平家は、第3代将軍徳川家光、第4代将軍徳川家綱に老中として仕え、川越藩主でもあった松平伊豆守信綱(まつだいらいずのかみのぶつな)によって興された一族。3,000坪の墓域に170基余りの墓石が配されます。墓石数、保存状態の良さとも全国有数の廟所です。
松平伊豆守信綱夫妻の墓
高さ2mの五輪塔が2基並ぶ、信綱(写真手前)と信綱の正室(写真奥)の墓です。俳人高浜虚子は「知恵伊豆の墓に俳句が詣りけり」と詠んでいます。
県指定史跡。
安松金右衛門(やすまつきんえもん)の墓
玉川上水、野火止用水の開削に大きく貢献した、信綱の重臣。信綱の長男輝綱にも仕え、川越藩の新田開発にも携わりました。
墓は昭和10年(1935)新宿大宗寺より移され、主君の膝元に眠ります。
下卵塔(しもらんとう)
大河内松平家廟所に対して下手(しもて)にある墓所一帯を言います。平林寺の修行僧や岩槻時代の家臣、平林寺の歴史にゆかりのある人物らのお墓があります。
卵塔
石橋の手前に並ぶ卵塔は、修行半ばにしてこの世を去った修行僧らの墓です。墓石には僧名が刻まれています。
島原・天草の一揆供養塔
島原・天草の一揆(寛永14年、1637)200年遠忌に建立された、幕府側の犠牲者を弔う供養塔です。島原・天草の一揆は松平信綱によって平定されています。
松永安左エ門の墓
松永安左エ門は「電力王」「電力の鬼」と呼ばれ、戦前・戦後の日本の電力事業の礎を築いた実業家(1875 - 1971)。松永耳庵(じあん)として近代三茶人(原三渓、益田鈍翁)のひとりに数えられています。
前田卓(つな)の墓
明治期の自由民権運動家、前田案山子(かがし)の次女で、夏目漱石『草枕』に登場する「那美」のモデルとされています。案山子も「志保田の隠居」として同作に登場しています。
卓と共に眠っているのは、卓の異母弟でのちに養子となった前田利鎌(とがま)です。
歴代塔所(れきだいたっしょ)
平林寺歴代住職の墓所です。正面中央の卵塔が平林寺開山石室善玖(せきしつぜんきゅう)禅師、その左に中興開山鉄山宗鈍(てつざんそうどん)禅師が眠っています。
平林寺境内林
平林寺境内林
雑木林を主とする広大な平林寺境内林は、総面積13万坪(東京ドームおよそ9個分)。かつての武蔵野の雑木林の面影を残す貴重な文化財として文化庁、埼玉県、新座市等と連携し、境内林(雑木林)の整備が行われています。
国指定天然記念物(雑木林として唯一指定)。
野火止用水(平林寺堀)
玉川上水から分水された野火止用水のうち、平林寺周辺及び境内に引かれたものを平林寺堀と呼びます。
県指定史跡。
放生池(ほうじょういけ)
境内散策の憩いの場。池の水はかつて野火止用水(平林寺堀)から通じていました。中島には弁天堂があります。
片割れ地蔵
もとは1対だった地蔵の片方を平林寺に祀ったといわれています。
野火止塚(のびとめづか)
塚の由来や用途ははっきりしていませんが、昔から境内にあったものです。樹林に覆われた境内の中で、空が明るく広がります。散策の途中の休憩や、待ち合わせの目印に。
業平塚(なりひらづか)
野火止塚と同様、由来や用途は明らかではありません。業平塚の向かって左に広がる松林は、境内散策の見どころのひとつ。
半僧門(はんそうもん)
半僧坊感応殿の正式参拝用の門で、半僧坊大祭の開催日(毎年4月17日)のみ開門します。平成29年(2017)落慶。旧半僧門は手水舎の奥に移築されています。
通年閉門。
睡足軒の森
睡足軒の森(睡足軒、紅葉亭)
武蔵野の雑木林の面影を残す園庭。園内には小径が整備され、一部を散策することができます。国指定天然記念物(平林寺境内林)。
開園時間 10:00〜15:00
休園日 毎週月・水曜、年末年始、別途夏季冬季休園あり
お問い合わせ
新座市れきしてらす(新座市立歴史民俗資料館)
※新座市保健センターとの複合施設です
電話 048-481-0177
睡足軒(すいそくけん)
「電力王(電力の鬼)」と呼ばれた松永安左ヱ門(1875-1971)が別邸として移築した、飛騨地方の古民家。晩年は茶人として(松永耳庵、近代三大茶人のひとり)親しい知人を招いた我流の茶会を催し、雑木林と古民家の風情を楽しみました。平林寺塔頭。
国登録有形文化財(建造物)。
非公開(予約利用可、有料)。
紅葉亭(こうようてい)
坐禅堂。非公開(予約利用可、有料)。